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『博士の愛した数式』あらすじと読書感想文のための必須ポイントまとめ(小川洋子)

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芥川賞作家の小川洋子著の『博士の愛した数式』という小説を読んだことはありますか?

2004年に、創設されたばかりの第一回本屋大賞を見事に受賞。

芥川作家って、なんか難しい話ばかりって思っていた人たちを、「こんなにわかりやすく、こんなに感動できるストーリーがあるなんて!」と驚かせた作品です。

映画の原作にもなって、そちらも大ヒット。とても有名になりましたね。

素敵なお話のあらすじをまとめてみました。ネタバレご注意です!

学校の読書感想文の課題図書としても、絶対におすすめの本なので、ぜひ参考にしてくださいね!

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30秒で分かる!! 『博士の愛した数式』の簡単なあらすじ

物語は、「私」の語りで進行します。

私はシングルマザーで、家政婦紹介組合に勤める有能な家政婦。

その派遣先として「博士」の家にやってきました。

数学の大学教師だった博士は交通事故が原因で、ある時点で記憶が止まってしまい、それ以降の記憶は80分しかもちません。

そんな博士と私、私の10歳の息子「√」(ルート)が織りなす、愛にあふれた少し哀しいお話です。

ちょっと詳しいあらすじ

それなりに読み応えのあるボリュームですが、決して、長い、というお話ではありません。

舞台も、博士の自宅以外には最後の方まで広がりません。

前半、中盤、後半、と3つに分けて、内容をご紹介していきますね。

前半~家政婦として派遣。博士との出会い

1992年の3月、「私」はある家に家政婦として派遣されました。

依頼主は上品な老婦人で、彼女の亡くなった夫の弟を世話して欲しいと頼んできます。

その義弟は事故で頭を打って以来、記憶が1975年で止まってしまい、新しいことは80分しか覚えていられないとのこと。

今まで何人もの家政婦が交代してきた厄介そうな顧客ですが、家政婦としてキャリアを積んできた私は、彼を「博士」と呼び、家政婦として働き始めます。

博士は風変りな人物で、記憶が80分で消えてしまうため、私は毎朝初対面としてやり取りをするのですが、博士は挨拶代わりに必ず靴のサイズや電話番号などの数字を尋ねてくるのでした。

博士にとっては、数字が他人と交流するための方法であり、家政婦である私とも、数学に関することならスムーズに話ができるのです。

私は学生時代から数学は嫌いでしたが、博士が数式の美しさを語るのを聞くうちに、少しずつ興味を持つようになります。

やがて、私に息子がいることがわかると、子どもは母親のそばにいるべきだと主張し、学校帰りには博士の家へ来て夕食を食べていくように命じました。

博士が息子を抱きしめて歓迎し、頭のてっぺんが平らな息子のことを「√」(ルート)と愛情を込めて呼ぶのを聞いて、私は博士を心から信用するようになったのです。

中盤~ルートと博士と「野球事件」

こうして「ルート」が加わり、博士と私とルートの3人での暮らしが始まりました。

博士はルートを可愛がり、一緒に算数の宿題をすることを喜びました。

ルートも博士になついて、大好きな野球や阪神タイガースの話をするようになります。

ある日、博士の書斎で野球カードのコレクションを発見した私は、思い切って博士とルートと3人で野球の試合を観に行きました。

しかし、その日の夜に博士は高熱を出して寝込み、私とルートは泊まり込みで看病します。

ところが、このことが原因で依頼主である未亡人からクレームが入り、私は博士の家政婦をクビになってしまいました。

家政婦として、いくつもの雇い主との別れを経験してきた私ですが、博士がもう自分たちのことを覚えていないという事実にショックを受けます。

新しい派遣先で働きながらも、博士や博士から教わった数学の世界に思いをめぐらせるのでした。

後半~博士との再会。悲しい別れ。

ほどなくして、ルートが博士のところへ遊びに行ったことをきっかけに、私は未亡人に呼び出されました。

そして話し合いの末、理由はわからないものの、私は博士宅の仕事に戻ることになったのです。

再び3人で穏やかに過ごせることになったのですが、そこには不安もありました。

博士が記憶しているはずだった80分という時間が、徐々に短くなってきたのです。

やがて、博士が数学雑誌の懸賞問題で1位を獲得した知らせが届き、私はお祝いのパーティーを提案しました。

自分のことには興味のない博士も、ルートの誕生日のお祝いを兼ねると聞いて、快諾しました。

私とルートは、博士の好きな江夏投手の野球カードを苦労して探し、贈りました。

アクシデントはあったものの、それは心に残るパーティーでした。

しかし、パーティーの翌々日、博士が医療施設へ入所したことを未亡人から告げられます。

博士の記憶は、もはや1975年から先へ進まなくなってしまったのです。

2人はそれからも博士に会いに行きました。

贈られた江夏のカードを胸に下げた博士は、ルートとキャッチボールをし、数学について語りました。

大きくなっても、博士にとってルートは愛すべき小さな子どもでした。

博士が亡くなるまでの何年もの間、交流は続きました。

そして最後の訪問では、成人したルートが数学の教師となることを博士に告げ、博士はルートを抱きしめるのでした。

読書感想文のための重要ポイント

『博士の愛した数式』は登場人物も少なく、終始「私」が語る静かな物語です。

どうやって書けばいいか迷ったら、次のようなポイントに着目して、自分の感じたことをまとめてみてください。

「私」は博士のことをどう思っていたか

私は常に冷静に、淡々と博士のことを語りますが、私自身の博士に対する感情については、はっきりしません。

私にとって、博士はどんな存在だったのでしょう?

この本を読んで数学に対してどう感じたか

数学なんて寒気がするほど嫌いだったという私は、博士の話を聞くうちに、数学の世界に興味を持ち始めます。

あなたはどうでしたか?

あなたの印象に残った“愛”は?

この物語には、様々な形の愛が描かれています。

博士の数学に対する憧憬のような愛、小さな子どもに向ける惜しみない愛、博士と未亡人の間の秘められた愛…。

あなたはどの“愛”が印象に残りましたか?

もしあなたの記憶が80分でなくなるとしたら…?

ちょっと非現実的かもしれませんが、もしあなたの記憶が、博士のように80分でなくなってしまうとしたら?

あるいは、もし、あなたの大切な人の記憶が、80分で消えてなくなってしまうのだとしたら…?

そんなことを想像しながら、自分の心の葛藤について、素直に言葉にしてみると、素晴らしい読書感想文になるのではないかと思います。

まとめ

『博士の愛した数式』は、第一回本屋大賞を受賞した作品です。

本屋大賞は、全国の書店員の投票で作品が選ばれます。

つまり、本が好きで、多くの本を知っている人たちに愛された本なのです。

ドラマチックな展開や華やかさはありませんが、一見、相容れないように見える文学と数学とが見事に融合しながら、淡々と静かに語られる、秀逸な愛の物語。

読んだ人の心の琴線に触れ、穏やかな感動をもたらすことでしょう。

人生を静かに見つめてみたい人、心に深く染みわたる、長く忘れない小説が読みたいという人に、ぜひおすすめの一冊です。

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