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『ツナグ』あらすじと読書感想文のための必須ポイントまとめ(辻村深月著)

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直木賞作家の辻村深月(つじむらみづき)さんが書いた『ツナグ』は、松坂桃李さん主演で映画化もされたので、ご存知の方も多いことと思います。

2010年に発売されてから、70万部以上も売れている大ベストセラー。

簡単に読めてしまうのに、ものすごく中身が深くて、感動的なストーリーで、私は大ファンなんです。

夏休みの宿題の定番、読書感想文にも最適な素材ですよ~。

この世界観にはまりにはまった私が、あらすじと、読書感想文の重要ポイントをお伝えしますね!

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30秒で分かる!! 辻村深月『ツナグ』の簡単なあらすじ

生者と死者を「たった一度だけ」逢わせてくれる使者(ツナグ)。

この本の中では、ツナグに依頼された4つのエピソードが紹介されます。

いずれも、死んでいったものたちに思いを残した生存者からの依頼。

彼らは、死者と再会することで、わだかまりや、恐れや、心の淀みを解決していきますが、同時に、知らなければ良かったことも知って、状況を悪化させることも。

ツナグは、自らの使命に疑問を持つのですが、それを受け継ぐ家系に生まれた深い意味を知り、あらためて決意を固めるのでした。

もう少し詳しいあらすじ

「使者・ツナグ」の使命と5つの掟

「死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口。僕が使者(ツナグ)です」と、本文中にもあるように、「ツナグ」は「この世」の人の依頼を受け、「あの世」の人と会う場をセッティングする役割を担っています。

そこには、5つの掟が設定されているのが、小説の中の約束事です。

  1. 生きている間に一度、死後に一度だけ、「反対側」にいる人と会える。
  2. 生者が「会いたい」とツナグに依頼、それを死者に伝え「OK」の返事をもらえたら、二人を引き合わせる。ツナグからの指示はできない。
  3. 生者と死者が会えるのは一晩だけ。死者は朝陽とともに、元いた死後の世界へ戻る。
  4. このような力を持つ者のお仕え事として、無料で行う。
  5. 依頼人から、感想をひと言、もらうこと。 

ツナグが依頼を受けた4つのエピソード

 1.アイドルの心得

依頼人は会社員・平瀬愛美。

彼女は、家庭でも疎まれ育った過去を持ち、仕事でも人間関係に悩んでいました。

無理やり連れてこられた会社の飲み会で過呼吸を起こした彼女は、皆から置き去りにされてしまいます。

そこに、偶然通りかかったアイドルの水城サヲリが、彼女を介抱してくれたのですが、それ以来、愛美はすっかりサヲリの大ファンになりました。

しかし、サヲリが突然死という事態が発生!

激しい虚無感にさいなまれる中、3ヶ月過ぎた頃にツナグの存在を知った愛美は、半信半疑ながら、死者との再会を依頼します。

感動的な面会の中で、サヲリから「まだ、こちらに来てはダメ」と諭されて、自殺願望を断ち切った愛美でした。

2.長男の心得

依頼人は工務店社長の畠田靖彦。

過去に一度、使者に依頼し、亡父と再会した経験がありましたが、今回はガンで亡くなった母との再会を希望し、使者にコンタクトを取りました。

亡母との再会に、涙を流しながら、ガンの告知をしなかった自分を責めてはいないか、頼りなく思える孫の跡継ぎをどう思うか、心に淀んだ疑問を投げかけます。

しかし、亡き母は、ただひと言、「あなたは、優しいよ」という言葉を贈るのです。

さらに、彼が誰にも語らなかった、自分が工務店を継いだことへの後ろめたさをも払拭してくれました。

数年後、目にした亡母の日記から、母が孫を跡取りにするための紹介のために使者を依頼していた事実も発覚し、靖彦の我が子への思いもまた、見直されるように…

3.親友の心得

依頼人は演劇部所属の女子高生、嵐美佐。

何でも一番でないと気が済まない負けず嫌いの性格から、次第に親友(御園奈津)にジェラシーを感じ始めてしまいます。

凍った道路で滑って怪我すればいいと水をまいたことが原因になってか、親友は交通事故で亡くなってしまいます。

搬送中の親友が「嵐、どうして…」とうわごとを言ったと知り、動揺する美佐。

謝罪のためにツナグに依頼して親友と面会した美佐ですが、まるで会話はいつもの親友同士。特別なことは話さないまま。

親友からツナグに託されたメッセージは、ひとこと。

「道は凍ってなかったよ」

美佐は、謝罪しなかった事に対する後悔の念にさいなまれ、その場に泣き崩れてしまうのでした。

4.待ち人の心得

依頼人は、会社員の土谷功一。

交際相手のキラリが、功一からのプロポーズを喜んで受けた後、友達と旅行に出かけたまま疾走。

しかし、に行ったはずの友達は行っていないと言い、キラリから聞いていた実家の住所もでたらめだと知って愕然とします。

猜疑心に苦しむ中でわかったことは、彼女が偽名を使っていたことと、フェリーの事故で他界していたことでした。

功一は、キラリの死を受け入れるために、勇気を振り絞って彼女との面会をツナグに依頼しました。

そこで彼女は、親と喧嘩をし、家出をしていたので偽名を使って身元を隠していたこと。

功一からプロポーズを受けた後、親に家出を詫び、結婚の報告をするため実家に向かう途中、事故で命を落としたという、真実を告げました。

二人で過ごした時や愛情に偽りがないこと、互いの愛情を確かめ合い、功一の心は溶けていくのでした。

最終章

使者の心得

入院した祖母(アイ子)から使者(ツナグ)の仕事を継ぐ見習いを始めた高校2年生の歩美。

ツナグとして行動した案件と、自身の生い立ちが、本人視点で語られます。

依頼者が抱える悩みや苦悩、人間模様は理解できるが、死者との面会は、生者が日常を前進するためのエゴではないか?

死者との再会は、必ずしも幸せな結末とは限らない事を実感して、ツナグは、自らの請け負う仕事に疑問を感じ始めてもいました。

小学1年生で両親を失った彼は、その謎を知りたいと思っていました。

生前の父は祖母からツナグを継承していたのですが、母は、あるとき、ツナグしか使ってはいけない鏡を発見します。

母は鏡を使って、亡き祖父と父を再会させ、過去の仲たがいを解消してあげたいと思っていたのです。

しかし、使者以外の人間が鏡を見たら、使者と、鏡を見たもの、その双方が死んでしまうという掟の下に、両親は亡くなってしまったのでした。

あらためて、祖母ともツナグを継承することの意味と責任を教えられます。

そして、こうやって、自分の中に淀む過去を解決することの意味も体感し、歩美はツナグとして生きる決心をするのでした。

感想文にしてみよう! 依頼者やツナグになりきって

もし自分がツナグの依頼者なら?

もしあなたがツナグに会えるとしたら、あなたは誰と会いたいですか?

そして、どんな会話をしますか?

具体的に、自分の思いを言葉にするだけで、とても感動的な感想文ができ上がります。

死んだ方との再会は、あなたの人生をどのように変えてくれるでしょうか?

あなたの過去の後悔は? それにまつわるストーリーは?

回想を詳しく書きだしたら、キリがないかもしれませんね。

それがそのまま、生きた読書感想文になっていきます。

もし自分がツナグだったら?

使者(ツナグ)の仕事、あなたならしてみたいですか?

依頼者の事情聞き取りや、死者への取り次ぎを、どのような精神状態でこなすことができるでしょうか?

その仕事を家族に知られたら、どうしますか?

恋人や家族には最初から話すタイプ?

死者との再会に対しての自分の思い、賛成、反対と、その理由を掘り下げていくというのも良いですね。

まとめ

サスペンス? ファンタジー? それともスピリチュアル?

さまざまな顔を持つストーリー展開は、長編小説ながら、それぞれが独立した短編のように構成されているので、読みやすいのではないかと思います。

日常生活とのリンク、登場人物への感情移入もしやすいですし、さらりとした中に、生と死、人生と向き合うことのできる深い読書体験が楽しめる内容です。

感想文がとても書きやすい一編なので、ぜひ手に取ってみましょう。

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